自分が死んだらどうなるか

2012年6月

自分が死んだらどうなるか。


自分から滲み出た作品はドーナツ形に拡がり、しばらくこの世に残る。
作品に関心を持つ者は、ドーナツの中心にかつてあったものを、
作品の雌型から再投影することを試みるかもしれない。
温かい血肉はもう土に還って消失している。
残っているものは皆、乾いたものばかりだ。

空洞ゆえの、水晶のように透明な意思疎通がそこに生じるのではないか?

 

原野のただ中で、地平線よりももっと遥かな彼方から、
月日を費やして伝わる、小さな雷鳴を聴くような――


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